クラシカロイド 第9話(1期)「闇、その向こう」感想
こんにちは。今回は1期9話の感想です。
話が大きく動く「6の倍数回」以外では一番シリアスに思える回。タイトルからして重い。史実のことにも触れた上でベトという人物の魅力を十分に感じられるお話でした。
感想♪♪
- シューさん、ギョーザーのにおいでベトをおびき出そうとしています。人まねと言われたことにプンプン怒るところは、やはりパクったとか模倣とかそういう言葉に敏感なのね。
- ベトがドアを壊して出てきました。この家、破壊されすぎ。
- ベトはギターを作っていたようです。弾いてみたくなったからって作るんですかΣ(゚ω゚)
- 2週間前に、街のオーロラビジョンに映った、布袋さんに激似のギタリストを見て影響されちゃったと。
求める音はその辺で売られているギターでは出せない、とギター作りに勤しんでいたもよう。だけどなかなかうまくいかなくて唸っていたわけね。 - そして餃子のことを忘れ去ってる!でも、大丈夫。やっぱり餃子は好きみたいで、今後もしょっちゅう出てくるから。
- シューさんてば、さっき作りかけのギターでどつかれて痛い思いをしたというのに、「大天才ベートーヴェンの演奏を生で聴けるということ」と歓喜してる…。人がよすぎるよ、キミ。
- 奏助はベトがギターを演奏することで出るムジークに便乗しようと企みます。うーん、奏助って、根はいい子なのに、こういう乗っかろうとするところが問題よねc(´ー`*)
奏助は自分のギターをベトに持ってきたよ。館のみんなに奏助の魂胆は全部見抜かれていますがw - ベトはギターは全然弾けないらしい、うん、そりゃそうだ。だって初めて知った楽器よね。でも音楽家だから弾けると思ってしまう不思議…。
- まさかの奏助が先生?パッド君を使って動画を見せたりして教えている様子。楽しそうね。ギターの弾き方というより、エアギターのやり方を教えているみたい。
- 理想の音を求めるベトに疑問を抱く歌苗ちゃん。ベトは作曲家なのにどうしてそこまで演奏にこだわるのか。その答えはベトにもわからず、心の中で何かが騒ぐらしい。考えると感傷的になってしまうそうな。この回のベトさんは通常運転の激しいこだわりなんかも見せながら、沈んだような、もがいているような複雑な表情が多し。
- シューさんはそんな先輩を見て、自分に何ができるか真剣に考えている…のに、そんなシューの髪にクワガタをくっつけるモツ。改めて見てみると、少し前の場面でモツがニッコニコな顔で手に何かを隠して運んでるんだよね。これ、クワガタよね。
- また街に出たベト。ベトさんてばこの間も見かけたストリートミュージシャンの演奏をじっと見ています。
- それから何日か経ったのかな。ベトが奏助のギターを完全に作り変えてる。火も吹くよ。だけど火を吹かせてどうするの。
はい、かっこいい演奏をした途端、ブレーカーが落ちたよ!暗いよ! - その暗闇の中、過去の映像がはさまれます。この回はこの過去映像が重要。モノトーンの画面の中の赤の使い方が印象的。
- 「聞こえぬ…何も…。私の音楽人生はもう…」
過去のベトが光に気づいて頭を上げたところで、現実の歌苗ちゃんが懐中電灯を照らしているのとシンクロするところはとても素晴らしい表現だと思いました。歌苗ちゃんはいつものテンションで怒っていますがね。演奏禁止命令が出されました。
- 奏助は街で、ギターコンテストのポスターを見つけます。賞品のギターに釘付け。こら、掲示されてるポスターを破っちゃだめでしょ。アルケー社主催のコンテストのようですよ。
- ベトにそのポスターを見せると、賞品のギターがもしや求めてるギターかも?と乗り気に。ベトが作り変えたギターをみんなでもう少し改造するらしい。チョッちゃんまで「改造面白そう」だし。
- また数日経ったのか?ギターがとんでもなくキラキラと派手な代物に。
ベトが大声を上げるから何事かと思ったら、胸の奥をえぐる痛みにも似たざわめき、とか、とにかくモヤモヤザワザワしている様子。また悩んだまま街を歩いています。
「俺が求める何かは一体何なのだ…?」
空を見上げても雲が立ち込めているばかり。 - この間のストリートミュージシャンの女性のところにまた来ました。
この歌「koe」はムジコレ2に入っていますが、いい曲です。個人的にはこういうサラッとした歌い方が好きです。ベトはこのミュージシャンに何か惹かれるものがあるようです。曇って何も見えなかった夜空に、星を一つ見つけます。
- あっという間にギターコンテスト当日。バッハ様にチャイコとバダも会場で聴いています。
- ベトがまだ到着していない。というか、皆で応援に来たのね。音羽館にも帰らずにベトはどこへ行ってしまったのか。やっと来たと思ったら「集中する。一人にしてくれ」とその場を離れるベト。緊張感が伝わります。
- 本番。やはりあの変なギターに観客の目は行くようです。さわりの部分だけ流れたけどこれだけでもかっこいい。
- バッハ様が手を上げて何か合図を。あ、電気が止まった。三弦さんが電源を切ったようです。
- 暗闇の中、呆然としながらまた何かを思い出すベト。
史実の、無精髭を生やしたベートーヴェンが「聞こえぬ、俺の耳には何も…」と絶望しながら街をさまよっている。そんな中、一筋の光を見出したのね。
「演奏は叶わずとも曲を作り世に残す事はできる。作曲家として新たな道を踏み出すのだ!演奏者としての栄光を捨てて…」
ベトはようやく、最近の胸のざわめきの正体がわかって、自分を取り戻せたのね。ムジーク発動。 - ムジークは「六弦の怪物(モンスター)」
みんな、クラシカルな衣装になってるよ。髪型もクルクルだし。奏助が「ムジークきた〜!」と大喜び。奏助ってなにげにムジークの大ファンだよね。誰が出してもいつも喜んでいるし。
タクトを天に放ると、かっこいいギターになったよ。
今までロイドさんたちはタクトは振るけど演奏はしないのかな?って思っていたけど、ついに楽器を演奏する姿が見られてうれしい。曲もさすが布袋さんて感じのビリビリするかっこよさ。パッド君の曲解説はいつも勉強になる。バッハ様はベトを試したのかな?ニヤっとしたってことは納得できたのね。
- 帰り道。奏助がベトを励まそうと一生懸命話しかけるとこは、奏助の元来の人の好さを感じる。ここのベトはあの派手派手ギターを背負ってても絵になるなあ。
「過去は過去 今は今。俺はまだ生まれたばかりだ」
今日のベトさんはなんて大人なの。 - ベトさんてばあのストリートミュージシャンに賞品のギターをあげてしまいました。この人、ギョーザーにはこだわるけど、物欲はあまりなさそう。そうか、ひたむきさに惹かれたのね。
- シューさん、キューバまで行ってギター作りの材料を仕入れてきたらしい。肩にいる鳥はなんですか?
あーあ、完全にすれ違い。あんなにかっこよかった演奏を見られなかったなんて。シューさんなら感激のあまり失神してたかもよ?
全体の感想
小学生の頃、世界の偉人といったような伝記本でベートーヴェンのことを書いたものを読んだ記憶があります。内容は全然覚えていないのだけど、唯一難聴のことは覚えていました。まあ有名なお話だからね。
音楽家なのに耳が聞こえなくなるって、一体どうするんだろう、と非常に驚いた記憶が。
演奏者は無理でも作曲家として…というのは、私のような素人からしたら、難聴なのに作曲ができるの?聞こえなくても全部頭の中で再生してイメージできるの?と不思議に感じてしまうくらいですが。それでもどんなに辛かったでしょう。
これまでのお話は、有名な音楽家の名前を名乗っていながら、ムジーク以外はそれほど史実が絡んできませんでしたが、今回はEテレらしくというか、しっかり受け止めた作りでした。史実の辛い過去を出すだけでなく、クラシカロイドのベトとしてどう捉え、どう乗り越えていくのかがきちんと描かれていてよかったです。つい、涙ぐんでしまう話です。
ベトを演じる杉田さんの声の演技が、モノローグの抑えた演技や、ムジークで一気にはじけるところとか素晴らしかった。こんなに、ありのままの姿なのにかっこいいベトさんはなかなか他の話では見られない。自分はクラシカロイドとして生きていく、というはっきりとした意志が感じられました。
普段はあんなにふざけているのに、たまにこんな姿のベトを見せられるとぐっときますね。
今日の1枚(*^_^*)
もやもやざわざわした胸の痛みを感じながら街を歩くベトさん。
表情はあまり見えないのだけど、うなだれた頭の角度、胸に持っていっている手、服の陰影、悩んでいる本人には悪いけど美しい。街中のウインドウは明るいのにベトが纏っている空気は暗い。
全体を通して作画が美しくベトがかっこよかった。何度も書きますが、このシーンに限らず、特にベトさんのモノローグのシーンは見入ってしまいました。大人の魅力全開でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※画像は©BNP/NHK・NEPより引用しております。